手塚治虫作品「ブッダ」
「子供の頃に読んだブッダが頭に残った」と知人が何気なく言いました。手塚治虫作品中の避けたい3つのうちの1つだったので、ドキッとしました。
「火の鳥」、「アドルフに告ぐ」、そして「ブッダ」。パラパラ程度に読んだだけ、完読できなかった。それぞれ作品のテーマが大きく、重く、そして長編。
当然、内容も理解しきれないし、登場人物も多いから、頭の中コンガラガル。
漫画だから気楽に読めば良いものなのに、身構えてしまって長いこと受けつけなかったな。読むための覚悟が必要な気がして、面倒でコワかったのですよ。
時が流れて、今なら読んでも理解できるんじゃないかって思いなおしました。「ブッダ」は私の記憶の中にも残ってくれるのだろうか。「よし、読もう!」
図書館の予約システムを使って、「ブッダ」をドカンと大人借り(笑)しました。
残酷な場面もあり、子供が読めば、衝撃も受けるし、ツマラナイと思うかもしれない。だけど、楽しいだけの漫画より、心に何か残るかもしれません。
「心を育てる」キッカケを与えてくれるのが手塚治虫作品の魅力だと思います。
冒頭のシーンで、行き倒れの僧侶に与えるものがないウサギは、炎の中に自分の身を投じ、肉となり我が身を捧げます。
もうそこでウルっと来ました。電子コミックもあるし、昔挫折して読めなかった作品を読み返す。過去の自分にリベンジ。他の2作品も読もうと思います。