記念すべき第1回目のヨガのアーサナ(ポーズ)は何を取り上げようかと考えました。ヨガの情報を発信していこうとしているのに、これこそがわからない(-_-) そして、ビデオの巻き戻しのように終わりから、始めてみるのもありかなと思いました。

 終わりから始めようと思ったのは、ヨガを知らない人に、自然にヨガを生活に取り入れてほしいと思ったからです。「ヨガ始めるぞ」、「ヨガやってます」ではなくて、いつの間にか「あ、これヨガのポーズにあるんだ?前からやってるけど私」みたいに無意識でたどり着いている感じが理想です。

 なぜなら、ヨガの歴史は五千年ですよ!ご先祖様がやっていたかもしれないじゃないですか?遺伝子レベルで、浸透していてもおかしくない歴史。ヨガだと意識せずに、「気持ちいいから、ただやっているだけ」と思えるポーズからご紹介したいと思います。

No1. シャバーサナ(屍のポーズ)

 屍(しかばね)=死体。大地に還っていく屍。臨死体験に近いといわれるこのアーサナ。これこそが、「瞑想」状態を一番作りやすい身体の形なのではないでしょうか(瞑想の話は、また別な機会に)。

<やり方>

  • 仰向けの姿勢になる(ヨガマットの使用が望ましい)。手は身体から離して伸ばし、手のひらを天井へ向けて胸を開放。足は、腰幅より広めに開いて伸ばし、つま先は外側に向けて脱力しておく。
  • 眉間・奥歯の噛みしめなど顔の力を抜き(口の力も抜きましょう)、肩など全身の力みを手放す。
  • 目を閉じて、自然な呼吸を続けましょう。身体の感覚が薄れ、だんだん、床との境界線が消えていく感じへ。意識だけがボンヤリあるような状態になる(ならなくても焦らない)、5分程度キープ。

 目覚める時は、手足をゆっくり動かし、感覚を徐々に取り戻していきます。その後で、身体を横にパタンと倒し、瞬きしながら目を開け、ゆっくり起き上がります。身体の感覚が失われているので、いきなり起き上がろうとせず、スローモーションのように丁寧に起き上がるよう意識してください。

※余談ですが、布団の上で、シャバーサナを試みたことがあります。ダメでした、身体が布団に沈み、大地と一体化する感覚が味わえません。屍は布団に寝ていたら、大地に還れませんよね。床にヨガマットのような適度な固さが気持ちいいのだと発見しました。

 横になっている姿勢は、体温が下がるので、あらかじめ軽量のブランケットをかけておくのもいいです。シャバーサナの時間ですが、あまり長いと寝落ちしてしまいます(10分以内で充分)。

 お香を焚いたり、ヒーリング音楽をかけたり(個人的には無音の静寂が好きです)、シャバーサナに浸れる環境を工夫してみてください。お香の香りは、日常生活とのスイッチの役割になります。臭覚は五感の中でも一番、本能的な感覚。自分の部屋にいながら、別空間に意識を持っていく手伝いをしてくれます。落ち着く香りを探すのも楽しいですよね。

 心身の疲労を感じた時、数分間のシャバーサナが、目まぐるしく動いていた脳を停止、ひと時の空白時間をもたらしてくれます。目覚めた時に、すっきりした自分になってるといいですね。