トカトントン
「トカトントン」、この不思議な響きは太宰治の短編小説です。面白かったので、ご紹介したくなりました。
すごく短い話なのに、なんでしょう?隠しておいた所をチクリと刺されてしまいました。「よく気付きましたね?」
主人公は、敗戦の玉音放送を聞いている時に、どこからともなく「トカトントン」と、大工が金槌を打っている音を聞きます。
それからというもの、仕事や恋愛、真剣になろうとするときに決まって聞こえる「トカトントン」という幻聴に水を差され、気持ちが冷めてしまいます。
「トカトントン」は熱意にブレーキをかけては、虚無感を連れてくるのです。
この小説を読んで、「あるある、この感じ」と思ってしまいました。
子どもの頃から「トカトントン」みたいなワカラナイ何かのキッカケがあって、急にやる気を失うことがよくあったなぁと。暗い穴にスンと落ちてしまうような感じに似ています。
中途半端に投げ出す逃げ癖は、大人になってからも続きますね。
「トカトントン」が聞こえないように、何かに夢中になっていたいものですが、無理な時は、せめて「夢中になっているフリ」をして誤魔化そうと決めました(笑)
太宰治作品、また読んでみようと思います。