死にたくなったら
いきなりですが、死にたくなったことありませんか? 私は何度かあります。その時の気持ちを振り返ると、死にたいより「消えたい」という言葉がしっくりきます。
辛い事から逃げたい。明日も明後日も苦痛な状況下で過ごすぐらいなら、いっそ消えてしまいたいと思う事がありました。
心が悩み事に囚われると、視野がどんどん狭くなって、楽しい事に目を向ける事ができなくなります。
希死念慮を抱いたら、決まってやることがあります。それが掃除・整理整頓です。
自分が死んだ後のことをイメージしてみます。部屋に家族、大家さんや清掃業者が立ち入るでしょう。その時に、ゴミや物が散乱していたらどう思われるか、せめて「整理整頓されている、きちんとした生活していた人」だと思われたい。
小さな自尊心に突き動かされて、見られたくない物や不要な衣類を処分、普段は横着してやらない箇所の清掃を始めます。
数年前に仕事を辞めた時は、面倒な換気扇の大掃除を時間をかけて行いました。黙々とこびりついた汚れを落としているうちに、無心になっていきます。
清掃後の達成感と充足感。自分にご褒美を与えたくなり、買い物に出かけ、ワインとケーキで独りお疲れ様会(笑)
不思議ですね、数時間前の無気力な気持ちは消え、心がリセットされていました。
ヨガ哲学である「八支則」の五訓(進んで行う事)の中に「清浄(しょうじょう)」、サンスクリット語でシャウチャという教えがあります。
身の周りを清潔にし、整えることで、心も穏やかになっていきます。
これは本当ですね。ヨガを習うずっと前から、清浄を実践していたんだと思います。心が乱れて苦しい時に、無意識にシャウチャを繰り返し、今日まで生き続けてこれました。
不要な物が消えてすっきりした空間。汚れが取れて清潔になった部屋のあちらこちら。風通しが良くなり、冷たく縮こまっていた心が開いていくようです。
頭がスッキリしたのか、現状を突破する良い知恵が浮かんできそう。
死にたくなったら、嘘だと思って掃除してみてください。無心になった後に訪れる心の変化に目を向けてみましょう。
視野が広がると、見えなかったものが見えてきます。清浄の教え、あなたを救ってくれるかもしれませんよ。