第1回目の映画紹介です。迷うことなく、韓国映画の「バーニング」をご紹介したいと思います。「シャイニング」じゃないですよ、「〇〇ング」という言葉を耳にすると、ホラー映画「シャイニング」を思い出してしまうのは私だけでしょうか?(古い話ですね)失礼。

 原作は村上春樹さんの短編小説「納屋を焼く」なんですよね、意外。日本の小説だったんですね。でも映画が終わった後に「村上春樹臭」を嗅いだ気がしました。湿度が高くて、息苦しいみたいな。この重たい空気はズーンと肺の下部に沈殿してしまいました。映画紹介という形を取りつつ、体外へ吐き出したくなります(すごく良い映画ですよ、念のため)。

 第71回カンヌ国際映画祭で、「万引き家族」と賞を争ったという作品です。ちなみに、私はまだ「万引き家族」を見ていませんし、ライバル映画だったという事も全然知りませんでした(無知)。

 「バーニング」を観たのは、賞レースがどうのこうのではなく、主人公のジョンス役がユ・アインさんだったから、ただそれだけです。ユ・アインという俳優を知ったのは、「ベテラン」という映画。主役は超有名な韓国俳優、ファン・ジョンミン氏。韓国映画を何本か観てると、「またこの人出てるー」というぐらい何度も見かけるとても有名なお顔です。好きな俳優さんなので(脇役やっても、結局目立つ!)、別な機会にご紹介したいと思います(何てったってたくさんの名作に出てますからね、紹介し甲斐がありますね~♪)。

 「ベテラン」というサスペンス・アクション映画(このジャンルか?)で、ユ・アインは主人公の刑事と対決する、憎々しい御曹司役で光っていました。狂気じみた感じが、実にカッコよかった(笑) 勧善懲悪的な映画なので、後味スッキリ!こちらも併せてお勧めしておきます。

 話は「バーニング」に戻ります。

 主人公ジュンスは、両親に問題があり周囲から孤立、アルバイトで生計を立てている貧しい青年です。町で偶然に幼馴染のヘミから声をかけられます。ヘミは整形をして美しく変身、ジュンスは彼女から声をかけられても初めはピンときません。キャンペンガールのアルバイト生活を送っており、ジュンス同様に、貧しい暮らしをしている様子です。

 ヘミは「アフリカ旅行に行くので、留守の間、飼い猫の面倒をみてほしい」と頼んできます。ジュンスは、留守宅にネコの世話をしに行くものの、一度もネコの姿を見ることができません。不可解なまま日々は過ぎ、ヘミがアフリカから帰国する日になり、空港へ迎えに行きます。

 すると、旅先で知り合ったベンと名乗る男が一緒にやってきます。無職なのに、とても裕福な暮らしぶり。それでいて人生に退屈しているような不思議な男。ベンは「2ヶ月に1回、不要になった古いビニールハウスを燃やしている」とジュンスに謎めいた告白をしてきます(彼なりの犯罪的なストレス解消法なのか?嫌な予感しかしない)。その後にヘミは失踪、ジュンスは不穏な気持ちを掻き立てられ、ヘミを捜索しますが-

 あらすじはこんな感じです。いろいろ謎が多くて、モヤっとします。ヘミはベンの経済力に惹かれていたのか、別の何かに引き寄せられていたのか、どうして行動を共にしたのでしょうか?そして、ジュンスの最終的にとった行動は衝撃的でした。この後、どこへ向かってしまうのか、どこへ向かって車を走らせているのか不明。見ている人に解釈を委ねる系の映画ですからね、咀嚼しきれないまま、気付いたら飲み込んでしまったような不快感がありました。喉に引っ掛かってしまう映画なので、未消化なぶんだけ、人に勧めたくなります。

 そして、ジュンス演じるユ・アインは作品中、口が半開きです。親にもヘミにも振り回され、呼吸困難から口呼吸にでもなっているのでしょうか?そして、眼が腫れぼったく(スッピンか?)、途中から梅沢富美男さんの若い時と顔が重なり、もう後半は梅沢富美男にしか見えなくなってしまいました(笑)。ユ・アインと梅沢富美男はけっこう似てるという発見。

 そんな楽しみ方もある「バーニング」。自分なりの解釈をしつつ、後味スッキリとはいかず「なんだこれー意味不明」と味わいながら、ご覧ください。 

 

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